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TRS-9 トリオ 種放出

  • 執筆者の写真: YY
    YY
  • 2023年3月19日
  • 読了時間: 3分

2023年3月、今年もこの季節がやってきました。蛹化・羽化のシーズンです。このシーズンが終わると同時に、交配のシーズンがやってきます。当店としては、いつもある程度余裕があるように生体をストックしています。そして、ストック生体のコンディションを見ながら、冬に準種の放出を、そして春に種の放出を限定的に行っていきます。


今回ご紹介するのは、TRS-9のオスを筆頭として、2メスを付けたトリオです。インライン・アウトライン両方を楽しむべく組んだセットアップです。インラインの方は後述の通り良い意味で濃く、期待度も高い組み合わせです。アウトラインの方も、当店の考える一番相性の良い系統を組み合わせたトリオです。



◆種類:ホペイ/ホーペ/ホーペイオオクワガタ


◆学名:Dorcus hopei hopei


◆産地:福建省北峰


◆累代:TRS-9はCBF1(TRS同士の系統分離統合交配)・yyii68はF2


◆血統名:TRS-9♂・TRS-9♀・GX50-yyii68♀



【血統背景】


およそ以下のような血統を背景としています。

※一部非公開である部分があります・配分も非公開です

→交配において重複する血統や系統があります


・TP:E(桜GENZI)


・HO8(MGM)


・TT2A(Real Black)


・劉備(セブンオークス)


・張飛(セブンオークス)


・皇帝(セブンオークス)


・SRT


・TRS



◇オス


・系統:TRS-9

・体長:72.5mm

・頭幅:26.7mm

・顎幅:左6.5mm

・顎厚:未計測

・羽化時期:2022年5月(後食済・即ブリード可能)

★フォロー一切なし

★種親候補としてストックしたもの



【TRS-9について】

2015年から付き合いのあるラインです。自分好みに染めようか、本来のTRSのフォルムを尊重しようか、インラインで煮詰めようかアウトラインで変形させようか、そういう試行と苦悩を繰り返しながら付き合ってきている系統です。TRS-C4とTRS-C5の交配で誕生しています。よって、TRS-9と名前を付けています。2020年に誕生したTRS-IBGとは血統背景は同じであるものの狙いが全く違います。TRS-IBGについてはTRSの怪物性をひねり出すことを狙いとしました。結果、顎7.8mmを筆頭に顎7を量産しましたが、少し膨張感のある系統となってしまいました。


TRS-9には、2015年に出会ったTRSのインプレッションに近い発現を体現させようという狙いを持たせました。結果、狙い通りの結果が出てきており、また当家の好みにもとてもマッチするファニーな雰囲気を纏ったものが出てきました。SNSやブログでご確認頂けるようにとても固定率が高いです。血も濃くなってきています。累代としてはF4レベルですが、先の説明の通り系統分離後の統合交配をしている為累代表記はCBF1です。


【本個体について】

形状・バランス・雰囲気は一級品ですが、加えて各部位の明暗のコントラストが絶妙です。精工感があり、直観的に「高度・高等」な個体であることを感じられる個体です。




◇メス ①

・系統:TRS-9(同腹)

・体長:48.4mm

・頭幅:14.7mm

・羽化時期:2022年5月(後食済・即ブリード可能)

逆三角形度の強いメスです。うっすらと、当家のTRSの優良個体に共通する逆ハも入った、仕上がりと迫力を揃えた逸品です。



◇メス ➁

・系統:GX50-yyii68(アウト用)

・体長:51.1mm

・頭幅:15.1mm

・羽化時期:2022年5月(後食済・即ブリード可能)

究極の仕上がりで、かつハイスペックな個体です。最高の1頭だと思います。お問い合わせに当たって計測をし、記録をしましたが、それまではぱっと見即決で「種」とだけボトルに書いた1頭でした。


この時期の放出には当方としては寂しさが、いつも以上に伴いますが、このトリオの放出は中々・・・痛みも伴います。強力な戦力の一部が抜け落ちた、という感覚でしょうか。でも、そんなセットだからこそ、譲渡先で数代先のレベルに飛び級をするような成果を出してくれるのではないか、という楽しみもあります。

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