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譲渡不可【24本店ストック成虫No.55】A7.8①

  • 執筆者の写真: YY
    YY
  • 2024年7月4日
  • 読了時間: 5分

更新日:2024年12月16日

今年度は詳細については虫で語ろうというのがテーマです。血統・系統・虫は正直です。個体紹介についても、多くは虫に語ってもらおうというのが2024年のホペイフリークのスタンです。尚、本年度の系統一覧については以下によりご確認ください。


ホペイフリークのYoutube

2024年度系統紹介


今回ご紹介するのは以下の個体です。

【生体情報】

◆種類:ホペイ/ホーペ/ホーペイオオクワガタ

◆学名:Dorcus hopei hopei

◆産地:福建省北峰

◆累代:F2

◆血統名:A7.8

◆グループ:A7.8

◆系統番手名:A7.8①

【血統内訳】

およそ以下のような血統を内訳としています。

※当店の単位の基準で記載をしています。目的は「きちんとしたホペイ種であるという信頼が持てる単位」です。→交配において重複する血統や系統があります

※記載している以上の情報を個人単位で提供は致しません

・TP:E

・HO8

・劉備

・張飛(A160含む)

・皇帝

・TT2A

・SAX

・極峰



A7.8①

体長:動画参照

頭幅:動画参照

顎幅:動画参照

顎厚:動画参照

遂に♠がやらかしましたね。ここまででも7㎜台後半量産機になっていましたが、まあ、やらかしましたね。これだけの高スペック個体、これだけの優良形状個体を1ブリーダー単騎で並べられる血統って中々無いんじゃないでしょうか。

ぶっこわれた形状をしております。このタイプは仕上がるのが相当難しそう・・・・そう思いました。でも、こうやって綺麗な仕上がりでバチギメしてくれる奇跡の中の奇跡があるのです。だから、当店は今年度の主要フレーズとして、「連続する奇跡」を上げているのです。末端クラスや、特殊な個体が誕生するという奇跡は、実は多くのブリーダーのところで起こっています。でも、それが仕上がらないんですよね。非常に高いスペックの個体が仕上がるのが難しいというのはそれはそうですが、とても変わった形の個体も仕上がるのが難しいんです。1頭2頭出てきたってそうそう仕上がってはくれなかったりするわけですね。


数値を例にとるのは分かりやすいからまた顎幅を例にとって申し訳ないですが、顎幅7㎜台後半に迫るような蛹が出たよ!という方は多いんじゃないですか?でも、それがビタ決め完品で仕上がりましたか?奇跡みたいな個体に王手はかかるんですよ。でも、その王手から無事の羽化までが恐ろしく遠い!!!!そして、無事羽化した個体が最後まで仕上がりを詰め切るとなるとさらに難しい!!!だから、奇跡が複数回起こることは大切なんです。

ご覧ください。レジェンド68で注目を集めたyyii由来のバキバキに折れ曲がったフォルムを、yyiiの血が流れる♠は高確率で発現します。細物でも発現しますからね、♠はそういう点でも非常に愛着が強い血統です。

超長いおお顎をもってしても伝わるこの厚み。

※長い方が薄く見えやすい

もう反則です。

ワイルドの形状から離れている!

野外品はそんな形じゃない!

・・・・という声を聞くことがありますが、この個体はその先の先にいってしまっています。野外品にこんなのは絶対にいないでしょうが、飼育品にもいないと思いますよ(笑)

今年は、当店にしかいない存在。それが今年のエース(♠)。極太個体や大型個体を相手に交雑!とか騒ぐ方もいますが、何をかけてもこれは生まれてこないと思います。A7.8をかけないと、これは出てこない。♠7.8をからしか得られない感覚がある。


そういう、完全別種の域に踏み込ませて、しかも可哀そうなことにならない、仕上がりが良い、虫が元気である!そんな領域開拓をするのも、ブリードの醍醐味です。


私の飼育の原動力は小さな命に対する愛情です。ちょっとの不全や★が悲しいです。パカった個体を見ると心が痛みます。翅先のちょいパカでも「ごめん・・・」と思います。それと同時に、矛盾を自覚したうえで、”まだ見ぬ個体を見たい”という好奇の気持ちもあるのです。それは理屈っぽいものではなくて、62㎜のミヤマを問ったら66㎜のミヤマを見たくなって、66㎜を見たら68㎜を見たくなって、もうそれで目標達成・・・となっても、70㎜の個体を見たら72mmの個体を見たくなる。そういう、「もっと先を見てみたい、まだ見たことの無いものに出会いたい」という好奇の気持ちが、まだ見ぬ個体や超越した領域にいる個体に向かって行ってしまうのもそれも不可抗力なのです。

2024年の♠が体現してくれたのはそういうことです。もう、デジカメでも正直に写すのが難しいので、今回はリングライトでべたべたに照らしての撮影をご容赦ください。あまりの立体感に、外歯先端付近や体の輪郭にややボケ感が残ってしまうんですよ。


ブリードものからしか得られない栄養があるわけです。ブリードものの末端個体だけがもたらしてくれる高揚感があるわけで、超唯一感の強い個体を手に乗せた時だけに分泌される多幸感があります。バーチャルではなく、リアルに個体顕示欲を満たしてくれる・・・それが超越個体の特権。


ものすごくヤバい形の個体が、ものすごく綺麗に仕上がっている。腹も、もう間もなくビタっと閉じると思われます。

この個体が羽化したとき、嬉しかったなぁ・・・・

内翅を収納した瞬間、一生忘れないと思います。

腹が収まり固まり詰めが強くなって手の上で元気な姿を見せてくれる。

ただ、感無量です。


流行やトレンド、映え感ではなく、「表現」「世界観」「独創性」という芸術に拘ってきてよかったです。文字通りプライスレスな個体に出会えたわけですから。




この個体を見て、やっぱりホペイは形で勝負の世界だなと思います。非常に完成度が高くスタイルが良い個体は手に乗せていて至福です。超太くてデカくて分厚いという迫力方面に形を振った個体も手に乗せていて最高です。このように、セオリー外の形状を体現している個体も手に乗せていて極上です。



今年は本当に厳選した♠だけを販売しますから、♠オーナーの皆様は、是非超カッコいいスーパースタイリッシュ個体と、こういう超越領域個体の両方を楽しんじゃってください。ボッコボコに産みまくった系統でもあるので、採卵も安心なのが強すぎますね。


PS:とても産むことを鑑みると、♠もそのうち多数流通するようになりますから、本店としてはガチで♠をやりこまないとお客様に抜かれてしまう・・・という危機感の方が勝りつつある今日この頃です。




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