The Hopei of the Year2025入選個体発表

YY
11月19日
読了時間: 6分

みなさん、大変お待たせいたしました。

各個体のスコアリングが完了、上位4個体が揃いました。

僅差であるケース・・・いわゆる接戦は多数ありましたが、採点項目が細かいので同率個体というものは出てきませんでした。番付としても、1番～4番までが点数で分かれました。

それでは、各個体と評価寸評をごれよりご紹介いたします。

尚、今回ご入選とならなかった方もスコアが気になる場合は遠慮なくお尋ねください。

スコア詳細は、御希望があった場合はご本人様には詳細点数を送信致しますのでお申し付けください（得点内訳）。

尚、採点してみた感覚ですが、

１．一番は形状で評価が決まる

２．サイズ・スペックが高い方が得点はとりやすい

３．完成度を示す大台は850点～か

当方の所感としては上記の3点のような印象です。

当方が所持する個体の内の1頭を採点してみました。

GX50-X(X8.03④)

2025年羽化

福建省北峰F3

体長：73.4㎜

頭幅：27.3㎜

顎幅：7.3㎜

ほぼノーディンプル、前胸や上翅の表面の仕上がりも美しく、かつ昨今における大台顎幅を有する個体です。太くて体表が美しい個体の1例としてストックしている個体です。

850点を超えると超大台、そこから先は中々点数が伸びにくく、刻みで上がっていくような印象です。本個体は展示レベルですから完成度は高いですが、ややマイルドな個体でもあります。個体の形状やスペック、それら由来の存在感をストックの理由としているわけではなく、血統の安定化や血統の可能性を示すサンプルとしてストックしている個体ですから見た目はマイルドです。従って、点数は今回の最上位個体群よりもやや下がりますが、撮影の点で得点が高いです（本職ですから仕方ありません）。特に、個体の体表が明瞭であること、暗い画像ではないこと、個体のポーズが自然体であること、個体のポーズが左右非対称ではないこと、撮影が上半身寄りではないことなどが、撮影における採点項目になりますので、そこで稼いで点数が高いという背景があります。

どうしても、写真から判断することになりますので、個体の実物がどうかということを脳内補正をしますが・・・撮影についても得点項目に含まれています。そのような背景から、本個体はやや点数が高めに出ています。逆に、それほど写真についてはしっかり撮影して頂いた方が良いということを次回以降のコンテストでも留意して頂ければ得点を得やすいでしょう。これについては、過去のホペイのコンテストなどを振り返っても、上位入賞者たちはコンテスト前にずいぶんと撮影についてああだこうだと話に花を咲かせ、写りがイマイチな場合は1週間～1か月もかけて撮影に勤しんでいたわけですので、ホペイ鑑賞文化由来ということで楽しんで頂ければと思います。私も書籍に掲載するにあたって撮影は相当勉強・練習しましたし、それまでも工夫をしてきました。

実物がどうかというのが大切なのは当たり前のことですが、コンテストとしては写真の撮り方で得点も上がるもの！と前向きに解釈して頂ければと存じます。

まとめると、得点を得やすい個体とは次のような個体です。

１．形状が優秀である：メリハリや個性が光り、バランスがそれを引き立てる

２．サイズが大きく、スペックが高い

３．撮影技術で魅せる（表面のつぶれ、ピンボケ、光量不足が無く、ポージングが良い）

それでは、これから入選個体紹介していきますが、スコアリングが低い順に上位4個体をご紹介いたします。

①75㎜以上の部：優秀賞

飼育者：横山幸雄（様）

エントリーNo.L9

体長は80.9mm、今回のコンテストのエントリー個体中最大個体である。その上で体表の仕上がりが良好で、各部のバランスも良い。大型個体の迫力はそのままに、メタボな感じは抑えられたスタイリッシュな個体。白バックにツヤ感がある黒い体表が似合う、白と黒の世界のコントラストが魅力的な1頭！おお顎の根元の迫力、先端の入りの個性が更に光ってくると、より存在感が強まるか！という個体でした。

➁75㎜以上の部：最優秀賞

飼育者：わたぼん（様）

エントリーNo.L2

79㎜でこのフォルムはスゴイ！非常に太く見えるおお顎や、バルクアップした各部位に対して、V字にハッキリと張った眼上突起鋭い頭部、そしてその頭部を引き立てるマッチョでいかり肩の前胸が「迫力・威圧感・重厚感」を引き立てています。大迫力の怪物個体が大好きな方には垂涎の逸品でしょう。内歯と外歯のカーブのシンクロが、L3個体と同等にシンクロしてくると完成度は更に高まろうかという個体！

③75㎜未満の部：優秀賞

飼育者：KAZU80MM(様）

エントリーNo.S10

おお顎が太く、各部のサイズ・形状バランスも良好。特に内歯と外歯の重なりが非常に美しく、主歯の中央から立ち上がるような内歯は飼育個体ならではの美しさを体現。体表の仕上がりも申し分なく、ディンプルのない頭部、綺麗な上翅、歪みやズレのない各部といった細かい部分の詰めが有無を言わさぬ完成度を体現しています。おお顎のエッジや張り出し、先端の入りや湾曲の加減などに分かりやすい特徴がワンポイントあったり、複眼突起などのアクセントがあと1歩光ると、更なる完成度を感じられそうです！

**スコアは860点超！加点より減点が難しかった！減点が顕著だったのはサイズくらいか！**

④74㎜以上の部：最優秀賞

飼育者：佐々木剛司(様）

エントリーNo.S1

頭部よりハッキリ水平左右に張り出した顎基部や、顎先のシャープな曲りが凄みを演出。明瞭でハッキリしたエッジに美しくシンクロした外歯、1本歯に見えるおお顎は美しいの一言。そして、それらを引き立てる複眼突起の発達が非常に良好な頭部。前胸も適度に締まり、腹もコンパクトで美しい。スタイルと、迫力と、美しさの3本を分かりやすく抑えた1頭。頭部にややディンプルがありますが、複眼付近の頭部の肉厚さを体現しているため、これも良く似合っています。あとはサイズアップだけか！？というような高完成度の個体です。