初夏～盛夏の予定

平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。

いよいよ、残すところ羽化個体も30頭前後となりました。現在はなんとか全ての個体の立ち合いを行い、羽化個体を可能な限り羽化後のケアと並走させてSNS(@hopeifreakshop)で紹介をしている状況ですが、このような毎年の不眠不休の繁殖繁忙期にも、やや終息も気配が感じられるようになってきました。

前蛹ウェイト25ｇの個体が同時に羽化する景色がまだ続く6月下旬

さて、今年度は蛹化羽化の時期が昨年、一昨年と比較して3週間～1か月ほど後ろに伸びた（長かった）影響から、「今後のご案内」「用品再販のご案内」等、諸々のご案内が遅延しております。セールの時期については、今のところ昨年と比較してやや日程が遅くなる可能性を予見しております。この点、ご不便をおかけしますが、何分生き物相手のことでして、コントロールをし切れないところもございますので、何卒ご容赦ください。

現在翅も腹も綺麗に収まり完品として硬化している

体長82㎜、頭幅30超、顎幅8.5mmほど

トータルスペックとしては過去最高の個体が誕生している2025年である

こちらはおそらく現状2番目のトータルスペックを有する個体

体長81㎜超、頭幅30.5mm付近、顎幅8.5㎜程の個体

こちらも、綺麗に翅と腹を収めて硬化してきている

過去の個体と比較してもずば抜けている個体が複数出現している

今回のご案内では、直近の状況とこの先当面の活動の予定をご紹介いたします。

【2025年初夏のラインナップ更新・夏のセール】

昨年は6月23日頃に夏の生体在庫ラインナップを公開・6月29日頃から夏のセールが始まりましたが、このスケジュールが昨年よりも後倒しになる見込みです。昨年は6月10日頃にはある程度まとまった数の成虫が硬化しておりましたが、今年度は夏のラインナップに載せる成虫の硬化にはまだ時間が必要で、6月20日～6月25日頃に撮影・発送に耐えうるレベルに硬化してくる予定です。

6月18日に羽化した個体

このスタイルの良さ・仕上がりの美しさにして81㎜程の個体である

そして、このようなサイズ感の個体の羽化がまだ続くのが2025年である

凄まじい形状の個体の仕上がりが美しい

既に2桁頭数の8顎が羽化していそうな今年だが

その背景にある能力向上を確かに虫たちは表現してくれている

体表の美しさ・仕上がりが異常に良い

まぁまぁのサイズに見えるとだいたい77㎜ほどある

そもそも体長のアベレージが別格である

また、大きく太い個体のスタイルが良い

虫が、血統系統の性能の向上を雄弁に語る

当店としましては、より拘りが強くなってきている近年のお客様に過不足無い情報提供をしたうえで生体のご提供を行いたく考えております。特に、血統ホペイは「その個体のスペックや形状」だけではなく、「無形の情報」がとても大切です。具体例を紹介するなら、販売個体が同じように見えても「同血統内の最高スペック」「同血統内の発現傾向」などが飼育者には重視されますし、「同血統内のハイスペック個体の変態能力」といった個を見ても中々分からないような情報が血統ホペイの世界ではとても大切です。高スペック個体が難なく仕上がるような系統もあれば、同じスペックの個体が仕上がる際に苦労をする系統もあります。ここには天と地の差があっても、販売個体からは中々それらを読み取ることが難しいです。このような、個体の観察からだけでは読み取りにくい情報を適宜開示してから、今年度の販売を開始したいと考えております。

絶対に羽化できないであろう

そう思うような蛹が羽化してきて内翅を収めて腹も収める

このような異次元個体がどの腹から出てきているのか

好みの個体はどの系統に存在したのか

そういうことを知りたいのが血統に拘るホペイブリーダーだと信じている

つきましては、以下のようなスケジュールで進めていくことを計画しております。

・各系統の紹介動画を更新

・販売個体の撮影（メスはまだ掘り出しておりません）

・商品ラインナップ更新

・夏季セールの実施

【現状のご報告】

3日4日不眠不休で繁殖飼育に取り組む日々が続いておりまして、それが6月15日頃からややペースダウンしてきました。6月25日頃には、日々の羽化も落ち着いてくる予定です。また、現在ペアリング・ペアリング解除・採卵セット作成・採卵セットのローテーションも明朝まで行っております。生体専門店ですので、まずは次世代をしっかり確保しなければ来年の活動が絶望的に成ってしまいます。

これに伴い、メスの掘り出しはまだ1頭も行っておりません。

これからメスを掘り出し、ランク別に分け、数をカウントし、ペア組みするメス・メス単販売を行う個体と仕分けを行っていきます。

血統別よりも細分化された「系統別（腹別）」の販売を行う当店は、メスの数を厳格にカウントし、ストック個体・ペア組個体・メス単販売個体と分類をしなければ、後から羽化してくるオスに対してペア組するメスが不足するといったことも起こってしまいます。

このことから、メスのカウント等についても時間がかかります。

加えて、メスの早期羽化が毎年なく（今年度は1頭のみ）、メスがオスと同じ時期に羽化をしてきますので、予めメスのカウントや仕分けを行っておくこともできません。今も蛹をやっているメスがかなりおります。

全て完全に揃えてから販売体制に入っていくわけではございませんが、ある程度目途が立ってからでないと販売に進むことができない当店の”系統別腹別販売事情”については、何卒ご理解ご協力を頂ければ幸いです。

【各系統紹介の動画】

メスの掘り出しを進められる程度には羽化が落ち着いてまいりましたら、各系統の紹介を機行います。先だってお客様には限定先行公開という形で今年度の”血統”のラインナップをご紹介いたしましたが、より細分化された系統別の分析報告をYoutube動画で紹介をする予定です。そこでは、虫のスペックや見た目といった定量的な報告に加え、各血統・系統の”育ちの過程”や”能力の違い”などといった定性分析報告も行います。

その上で、お客様には求めているイメージに近しい”系統”を選んでいただければと思っております。手間暇時間が過剰にかかってはおりますが、血統ホペイは気に入ったら一生ものの付き合いになりますので、ここには血統屋さんとして拘らせて頂きたく存じます。

先日声をかけて頂いた個体である

人気を集める個体もいるが、オファーの声がかかる個体は好みで違ってもくる

当店としては、お客様に「好みの個体と出会える期待値」が高い系統をご案内したい

【販売個体の撮影】

これまではデジカメで撮影をしてきましたが、スマホ撮影越しに虫を見られる方も増えてきているので、今年度の撮影については現在撮影方法を検討中です。

・屋外デジカメ撮影

・屋内デジカメ撮影（リングライト下）

・屋外スマホ撮影

・屋内スマホ撮影（リングライト下）

いずれにしようかということを現在検討中でございますが、各個体に対してこれまで通り多くの写真を用意して、色々な角度から個体を見て頂き、造形と状態、存在感をより明確に捉えて頂けるようにすることには手間を惜しまず取り組みたいと考えております。毎年大変なのですが、写真はしっかり撮影しますので楽しみにして頂ければと思います。その分、準備に時間がかかることについては何卒ご容赦ください。

複数のイメージから、個体の形状や存在感をより詳細に把握する

1頭として同じ個体が存在しない

準備は妥協無く行いたい

【商品ラインナップ更新】

系統紹介・メスの仕分け・撮影が終わりましたら、速やかに商品ラインナップを更新いたします。まとまった数の生体をショップでご覧頂けるようになりますので是非楽しみにお待ちください。なお、先にご案内を差し上げてはおりますが、今年度は昨年度と比較して飼育頭数が2/3以下ほどになっており少ないですので、販売個体数は昨年よりも少なく、販売個体の質は過去最高である予定です。

【夏季セールの実施】

今年度も先の「活動方針」でご案内の通り、大型セールを実施します。夏季のセールと冬季のセールは割引の割合も大きいビッグイベントですので、是非超高品質の個体を割安でご入手ください。恐れ入りますが、夏季セールは蛹化・羽化の時期の遅れにつき、例年よりも後倒しになる予定です。何卒ご容赦ください。7月の上旬には概ね全ての個体が羽化して揃ってくる予定ですので、夏のセール以降のセールは概ね例年通りの時期に開催をする予定です。これらについては別途ご案内を致します。

【用品】

用品販売は、夏のセール終了後になる予定です。人工蛹室凸型は、現在在庫数は販売しますが、現状追加の入荷については見合わせております。利益追求をしないような価格設定で、ブリーダーの皆様のお力になれればというコンセプトで作った用品です（初期のものは利益が1円ほど）が、そこまで需要が強くないようであれば販売をストップする予定です。商品の性質上、一度ご入手頂いたら半永久的に使えるものですので、ある程度需要にいきわたってからは追加の注文も無いものと考えております。

当店では今年度も全モデルフル活用をして蛹化・羽化の時期を乗り越えましたので、実績については申し分ありませんが、どうしても用品にもトレンドの波がありますので、支持の波が低い頃には、別の需要がある分野に注力をしていく予定です。

【オサムシ関連】

オサムシ関連ですが、注力予定でしたが、一部の超マニアックな種以外からは現状撤退をする予定です。それに代わり、韓国産オオクワガタの飼育を格段に拡大する予定です。撤退予定の種は以下の通りです。

・プリンキパリスカブリモドキ

・重慶市産大型イボカブリモドキ亜種

・マイマイカブリ各種

・シナカブリモドキ

重慶市・湖北省付近のxianfengensis系も、今年度はワイルドの入荷が多いことから繁殖販売は行わない予定です。

【韓国産オオクワガタ】

本種の飼育普及に注力すべく、今年度は、

・ワイルド複数

・現地の血統もの大型（超特大型）

2種を現状入手しており、100頭以上の規模の飼育をする計画です。国産オオクワガタ・中国ホペイに次いで、ドルクスホペイ亜種の魅力をサイズ面でもスペック面でも発揮できるポテンシャルを持ったドルクスであり、しかも現在入手不可能な産地があるなど、産地やラベル面での面白さも別格です。カブリモドキ飼育の費用・労力をここに投資し、一気に韓国産オオクワガタ飼育の文化を広めたいというのが現状の当店のオサムシ飼育に置き換わる韓国オオクワガタの位置づけです。

◆2025年韓国オオクワガタの販売◆

2025年度今年度から韓国産オオクワガタの販売を行います。韓国は特有のコミュニティサイトで情報共有がされることが多いようで、中々韓国産オオクワガタの飼育の情報は少ないですね。ですので、当店で羽化させた以下4種

・2012年発祥の太さを追求して累代飼育を進められた血統もの

・ワイルドから4世代目のストレート系のオスを親とする系統

・ワイルドから2世代目、ＷＦ１の特徴的な親からの系統

・ＷＦ１

の販売を行います。各系統1腹しか飼育できませんでしたので（ワイルド・血統ものは複数メスを入手したもののそれぞれ1メスしか産まず）、数は少ないです。ですが、これらを販売前にまとめて紹介（特設ページを作ります）、個体の形状やサイズ、発現の振れ幅などをご覧頂いてから販売を行います。

韓国産オオクワガタについてはまだ当店で1サイクルしか回しておりませんので、血統ホペイと比較すれば付加価値は薄いものと考えておりますので、ある程度カチッとした価格設定を設け販売をする予定です。セールの際の大幅割引も、このような理由から行いませんので、セールに間に合わせるのではなく、全個体紹介が完了してから販売を行う予定です。

昨晩は4時頃に一旦仮眠をとることができ、一旦4時間ほどのまとまった休みを取ることができましたので、取り急ぎ現状のご報告を差し上げました。これから、また５～８頭の羽化の波がきます。次か、その次が羽化の波としては最後の波になる予定です。

現状の蛹の翅パカ率はここまでの羽化総数の0.7%程、その0.7%は韓国産オオクワガタですので、羽パカ羽化不全と言えるレベルの不全はホペイでは起きておりません。そこまで繁殖飼育に注力させて頂き、またそこまでのアウトプットを出せる血統の能力を高めてきたなりには、「スゴイ」個体をご紹介していきますので、活動が少し予定よりも遅延し申し訳ありませんが、今年度の当店の羽化個体達には格別のご期待頂ければ嬉しいです。

ホペイフリーク代表