25年羽化韓国Bino飼育の記録
- YY

- 8月31日
- 読了時間: 48分
更新日:9月10日
※2025年8月31日更新
※2025年9月1日WF2まで更新完了 ※2025年9月2日更新中
※2025年9月3日KI更新中
※2025年9月4日KI更新中
◆背景◆
2025年羽化の韓国産オオクワガタ飼育の結果を、更新形式で紹介します。この記事が日々更新されますので、是非楽しみにご覧ください。
2023年に通関させた個体を、2024年に繁殖し、2025年に羽化をさせました。全4血統4系統です。コテコテの血統ホペイばかりを飼育してきた当店にとっては、WF1から累代が浅い個体群、それなりにサイクルが回された系統と、血統と呼べるレベルで世代が進んでいる血統のグラデーションが非常に興味深いところでした。
累代飼育・飼育世代の進め方によっては、ワイルドとは一味違った表現を体現させられるのが血統・系統飼育の一つの醍醐味ですが、同時にしっかり血統化しても種由来の魅力がむしろ強調されるのも飼育世代を進めていく過程での面白さですね。
すでに何代か”選別”された種親を経由している個体群と、累代が浅い個体群があります。前者については、やはり「形状・体格・サイズ・存在感」は良いです。後者については、「自分で血統開拓をする・可能性を感じる」このようなロマンを感じます。ずらっとならんだオスたちを見て、どちらも甲乙つけがたいと悩ましいところです。
◆韓国産オオクワガタ◆
情報が乏しく、断定的な表現をすることが難しいことも多いのですが、まず、韓国に生息するオオクワガタは、大陸・半島に生息するオオクワガタです。そして、分類は当店が専門とするdorcus hopei hopeiではなく、日本産のオオクワガタと同じdorcus hopei binodulosusです。北朝鮮のオオクワガタは小さいと言われ、流通するものもかなり小ぶりである印象でしたが、朝鮮半島南部に位置する韓国産オオクワガタは「北朝鮮産オオクワガタと比較し大型化する傾向がある」と言われています。
相当小さな印象が私(店主)にとっても先行しておりましたが、2024年飼育では79mm台まで誕生しており(もしかしたら計測の仕方によっては、マックスマックスをとるようにすると80㎜をとれるかもしれません)、75㎜オーバーの個体も多い(※世代が進んでいるほど、系統内最大体長は大きくなる傾向があった)。
ホペイほど大きくはないものの、国産オオクワガタよりも若干小さいか・・・くらいのサイズ感で、決して小さなオオクワガタではありません。過去に入手したWild個体も60㎜台が複数おり、それを鑑みても小柄なオオクワガタではないと言えるでしょう。
朝鮮半島南部の韓国→朝鮮半島北部の北朝鮮→中国と繋がっていき、中国でも遼寧省付近まではホペイ(hopei hopei)ではなくビノ(binodulosus)に分類されます。韓国のオオクワガタの方が北朝鮮のオオクワガタよりも大型化するということは、韓国(大きい)→朝鮮半島北部の北朝鮮(小さい)→中国(大きい)ということになり、このあたりの個体のサイズの変化については理由こそ分からないものの興味深くもあります。
韓国のオオクワガタは韓国広域に生息し、産地も様々ですが、生息は局所的で、採集難易度も日本のオオクワガタに準ずるようです。生息地が隔絶される傾向があるためか、産地による個体差があると言われているのも興味深いです(確かに、材割採集個体の段階から違いが見られました)。
◆韓国産オオクワガタの形◆
全血統系統・全個体を妥協無い餌と管理で飼育し、多数のオスを比較して、4血統4系統飼育下所感としては以下のような感想を持っております。今後この見解は、飼育頭数の経験値と飼育系統数の経験値、飼育産地の経験値によって変化する可能性はございますが。
①国産オオ・ホペイとは似て非なる種
ホペイもそう言われていましたね(笑)ホペイも、「国産オオクワガタとは似て非なる種」と言われますが、韓国Binoについても同様であると感じております。日本産オオクワガタと同じBinodulosusだから国産オオクワガタと同じ、とは言い切れないです。サイズ感も若干違うし、形状の雰囲気もやや異なります。やはり、海で隔たれているなりには少し違った雰囲気を感じます。ホペイでもなく、国産オオとも異なる、未開拓のゾーンに位置する個体群である朝鮮半島南部のオオクワガタ。今後の飼育の開拓と、形状の認知が非常に興味深いところです。
➁おお顎の形状
太い個体も出現する血統もの、それなりに世代が進みやや大型な4世代目系統、WF2、WF1と飼育をしましたが、
A.すらっと外歯が長く前方を向き、内歯もすらっと前方を向く個体
B.すらっと外歯が長く前方を向き、内歯に丸みがある個体
C.おお顎を開くとストレート寄りだが、短歯で内歯に丸みがあり湾曲形状に見える個体
およそこのような発現の振れ幅が概ね全系統で確認できております。WF1個体についても、おお顎がすらっと長くストレート系なタイプと、おお顎を閉じるとVにみえるようなおお顎が短めで湾曲を強く感じさせる個体が出現してきました。
★内歯は先端に位置しやすく、内歯の立ち上がりは良好であることが多い
内歯はおお顎前方に付く傾向が強く、内歯先端がぐっと情報に立ち上がるような個体が多めで、ここにも特徴を感じました。
※対馬オオクワガタについて
SNSでは、随分と「ツシマに似ている、ツシマに近しい」という声を聞きましたが、ツシマオオクワに詳しくない当方ではありますが、その上でも特に対馬産オオクワガタに近いというはっきりした印象はありません。
◆通関◆
①当然ですが、正規ルートで通関しております
➁その上で、専門機関2機関に協力をお願いし、
全血統全オス全メスを見て頂くフィルターを通しております。
※昨今の交雑問題についてもその際に説明しております
★飼育個体の紹介★
それでは、いよいよ本題の飼育個体の紹介です。
連日コツコツ撮影し、紹介画像を追加していきますので、日々ご覧頂ければ幸いです。
種親と、その子の個体達を紹介していきます。
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◆管理系統名KW-B:WF1◆
採集背景:2023年夏灯火採集
通関:2023年11月
産地:韓国全羅北道益山市(Iksan-si,Jeonlabuk-do,Korea)
※以下画像個体がWild種親です。2メスおりましたが(AとB)、Aからは採卵ができず(※Aが本命でした)Bからまとまった数の採卵ができました。Korea,Wild、B系統ということで、KW-Bとして管理しました。
◆親オス個体◆


韓国BinoもWildは赤みを帯びた個体が多い

小柄で繊細な形をしており、美しい
体長:63㎜程
頭幅:21㎜程
顎幅:4.2㎜
◇Wild個体の特徴◇
バランス(形状だけではなく、スペックも)が良いため、ガッチリしたオオクワガタという写りですが、実物は非常に薄く細く繊細な形をしております。
2019年頃より複数のWild韓国産オオクワガタのWildを入手してきましたが、どれもこのように非情に細く、外歯はスラッとストレートテイストながら、内歯に丸みを帯びた個体が比較的多いように感じられました(見た母数は少ないです)。また、内歯はおお顎前方寄りに位置し、内歯は真上に立ち上がり、内歯先端付近が立体的になるような見た目の形状をしているように感じられます。
◇WF1幼虫飼育の所感◇
※成虫採集個体から採卵した場合
2025年は、わずかではありますがやはりWF1を飼育しています。まだまだ初二齢であり、飼育の所感は分かりませんが、2025年飼育のWF1は幼虫採集菌糸瓶飼育個体の子ですので、2025年羽化の個体よりも大きくなりやすい可能性があります。
2024年飼育、そして今年度羽化をしてきているWF1は成虫採集の親個体から採卵をし、菌糸瓶800ccc~1100cc×3本飼育で羽化まで持ってきています。最後はマットにした方がWF1のメタボ化を防げるようですが、最後までオール菌糸瓶飼育で育て上げました。
WF1のオス幼虫の体重は14g付近~18g付近に集まり、やはり”WF1はそうそう簡単に大きくはならない”という印象でした。現地では、「70mmに達すると凄い!」ということです。さて、羽化までもってくると、以下のような結果が得られました。
・最大マックスマックスで73mm付近の突出した1頭が羽化(最大幼虫体重22g)
・大きな個体は69mm~71mmで羽化
・初夏の仮計測にて、70mmに乗る個体複数
・やはり、やや腹は大きめに
・体重があまり乗らなかった個体でも60㎜台後半~70㎜に達する個体が出現
・幼虫→前蛹までの体重減を抑えることに成功(還元率約82%)
結果的には、WF1で70mmに乗る個体が複数得られました。きちんと飼育をすれば、相当見ごたえがあり、また、野外個体ではめったにお目にかかることができないサイズになるということが確認できました。
◆管理系統名KW-B:WF1 個体紹介◆
それでは、以下に本系統同腹の兄弟オスを紹介していきます。
No.1 ※販売可
幼虫最終計測体重19gから
体長:68.3㎜



No.2 ※販売可
幼虫最終計測体重15gから
体長:67.2㎜





No.3 ※販売可
幼虫最終計測体重未計測(メスと思われた幼虫から)
体長:68.3㎜




No.4 ※種候補
幼虫最終計測体重21gから
体長:70.1㎜






No.5 ※販売可
幼虫最終計測体重19gから
体長:71.1㎜







No.6 ※販売可
幼虫最終計測体重未計測(メスと思われた幼虫から)
体長:69.9㎜




No.7 ※種候補
幼虫最終計測体重19gから
体長:70.2㎜





No.8 ※販売可
幼虫最終計測体重19gから
体長:70.1㎜





No.9 ★確定種親★
幼虫最終計測体重22gから
体長:72.8㎜










以上9頭が、2025年度韓国産オオクワガタWF1の羽化個体オス一覧です。あと1頭、かなり腹が余ってしまった個体がいますが、それはプレ企画等で譲渡を考えています。
まだまだ、韓国産Binodulosusについては個体像がハッキリしていませんし、国内のブリード文化も未開拓です。上記についてはそれなりにまとまった数を見られこそするものの、1系統1腹の同腹兄弟の個体像に過ぎません。
本系統KW-Bから読み取れることを参考にしつつも、未確認の発現もあるものとして、今後も韓国産オオクワガタの飼育を研究していきたいと思います。韓国産オオクワガタは今のところ国産オオクワガタとひとくくりにされており、韓国でも”おそらく最大は85㎜付近であろう(ブリードもの)”ということですから、レコードを狙うのは現状難しそうです。いまのところ、従って本種については形状追及と、本種内の最大体長を追いかけるような楽しみ方になりそうです。
当店の系統を飼育してくださるお客様・韓国産オオクワガタ飼育のファンの方々とは、
「究極の韓国産オオクワガタコンテスト」
「韓国産オオクワガタ体長ギネス」などのイベントも開催しながら、ザ・韓国産オオクワガタの像とは、を追いかけていくのも楽しそうだなと考えています。
※上記についての開催は未定、概ね企画ができ次第発信します
□余談□

韓国 江原道 襄陽郡 産 58.7mm Wild(材割採集個体)
2025年WF1採卵・飼育中
本個体のように、より顎の湾曲が強い個体などもいるため、2026年に羽化のWF1の個体群にもご期待ください。大歯になることで今年度羽化のKW-Bと類似する個体群になる可能性もありますが、また違った表情が見られる可能性もございます。
◆管理系統名KB:奇跡のWF2◆
血統背景:
2022年に採集されたwild個体からの子が2023年に羽化。
以下のWF1個体を親とするWF2個体群です。
曲がった韓国産(Korean, Bent)からKBとして管理。
通関:2024年4月
産地:Uljin-gun, Kyeonsangbuk-do,Korea
※以下画像個体がWF1個体です。交渉しましたが、希少産地希少系統につきワンペアしか入手ができませんでした。羽化個体群の存在感は圧倒的。WF2にして次に紹介する4世代目・12年物血統に引けを取らない迫力・スペックの個体群が誕生してきました。「名を残す血統はWF2くらいから既に別格」ということはホペイの飼育では聞きしに及んでいたものの、目の当たりにすると文字通り別格。奇跡の1系統だと思っております。販売予定でしたが、そう簡単には出せないな(出してしまったら二度同じレベルのWF2は生涯入手できる気がしません)と思うような個体達です。
◆親オス個体◆
WF1、72㎜くらいの個体でした
非常に特徴的な個体でしたので、標本にして残しました
親の段階からポテンシャルを感じていたということでしょうか


◇WF1親個体の特徴◇

頭部については眼上突起はBinoに言われるような、なだらかな形状。しかし、強く張っており頭部もV字に吊り上がる。そういう形状です。眼下突起の発達も良好でした。
前胸背板については、ややいかり肩ですが、前胸背板の前方が頭部後方に巻き込むような立体的構造です。お尻はぽってりしていますが、ややコンパクト。頭・前胸背板・上翅の形状は私の持つホペイのそれの印象に近いです。おお顎は短く、内歯・外歯ともに丸みを帯びますが、顎を閉じると円形ではなくV字に近くなり、内歯と外歯は頑張っても重ならないような位置関係になっています。
Binoらしくもなく、Hopeiでもない本個体ですが、「超カッコいい」ことは間違いなく、レザー製のような上翅の質感や光沢の強い上半身、細いが太く見えるおお顎など、細かい部位を見てもとことんカッコいい。これは標本にして残さないと!と思ったわけですが、次世代についてもその存在感をハッキリ踏襲しております。
↑上記動画のサムネを確認して頂くと分かるように、個性的ではありますが、Wild個体と実はよく似ている部分も多いです
◇KB系統幼虫飼育の所感◇
WF1よりは大きくなり、20gはスパッとクリアしてきますが、マックス体重は26gくらいで、30gに近いような幼虫は出現していません。おお顎が短いこと・体格がごついことで体長はやや控えめに出てきましたが、縦横比率やおお顎の幅などはとてもWF2とは思えないような次元に足を踏み込んでおり、正に奇跡の1系統という印象です。
国産オオクワガタがとんでもない年月をかけて到達した顎幅6.0㎜に達する個体も誕生しており、将来どうなってしまうんだろうという個体群です。また、上のオスのイメージに近しい個体が多く、WF2にして血統を名乗っても問題なさそうな表現をしている系統でもあります。
◆管理系統名KB:WF2 個体紹介◆
それでは、以下に本系統同腹の兄弟オスを紹介していきます。
No.1 ※種候補
幼虫最終計測体重25gから
体長:72.5㎜
頭幅:25.5mm
顎幅:5.4㎜








No.2 ※販売可
幼虫最終計測体重24gから
体長:74.3㎜
頭幅:25.8mm
顎幅:5.3㎜





No.3 ※種候補
幼虫最終計測体重25gから
体長:73.6㎜
頭幅:26.3mm
顎幅:5.5㎜








No.4 ※種候補
幼虫最終計測体重25gから
体長:73.9㎜
頭幅:26.0mm
顎幅:5.4㎜







No.5 ※種候補
幼虫最終計測体重25gから
体長:73.8㎜
頭幅:26.1mm
顎幅:5.98㎜









No.6 ※種候補
幼虫最終計測体重26gから
体長:73.5㎜
頭幅:26.4mm
顎幅:5.8㎜








No.7 ※販売可
幼虫最終計測体重22gから
体長:74.6㎜
頭幅:26.0mm
顎幅:5.3㎜







No.8 ★種親確定
幼虫最終計測体重26gから
体長:76.7㎜
頭幅:26.99mm
顎幅:5.9㎜








No.9 ★種親確定・異次元
幼虫最終計測体重26gから
体長:76.1㎜
頭幅:27.4mm
顎幅:6.2㎜
↑クリックで動画が開きます











以上9頭が、2025年度韓国産オオクワガタWF2、KB系統の羽化個体オス一覧です。まだまだ、韓国産Binodulosusについては個体像がハッキリしていませんし、国内のブリード文化も未開拓です。また、情報収集の過程で、今年度は通関に失敗していますが(死着)、ワイルドから太い産地というものもあるようですから断定的なことを綴るのは難しいのですが、色々飼育してきた経験から、本KB血統についてはそれでも”別格”というのが現状の当方の所感です。
WF1と比較して共通する形状・部位発現も見られるため、「らしい」といえばらしいのですが、これらを見て、「韓国産オオクワガタはWF1から始めて、このくらいのレベルに数代で至れる」というのは、突き抜けた血統ホペイを基準にWild、WF1、WF2、WF3クラスへの期待度を定めるほどには見解のズレを産みそうです。
若干の個体差は当然見られるものの、全個体類似した雰囲気を持っており、かつ突出した上位個体が「瓶内蛹化・瓶内羽化・成虫取り出し」であることから、最上級の個体でもまだまだ余力を残している。そんな末恐ろしい血統。それが奇跡のWF2、KBです。
◆管理系統名KS:希少産地&最も面白いステージか!?◆
血統背景:
2018年にWildが採集され、2019年にそのWildから採卵、2020年にWF1が羽化、2021年~2022年にかけてWF2が羽化、2023年にWF3が羽化。このWF3雌雄を当店が入手し、2024年に繁殖飼育をし、2025年に羽化してきた個体群です。ただし、希少産地・希少血統につき、同系統の雌雄を入手することは交渉しても叶いませんでしたので、同血統異系統のWF3×WF3をおこなったことになります(系統交配)。よって、累代表記は「4世代目CBF1」とし、次世代をインライン交配した場合は「5世代目F2、6世代目F3」と表記されることを推奨いたします(ワイルドからの累代世代数をカウントでき、系統管理もできる表記であるため)。
曲がった韓国産(Korean, Straight)からKSとして管理。
通関:2024年4月
産地:Hwachun-gun,Kangwon-do,Korea
※軍部隊内で採集されている個体であり(違法ではありません)、一般人が個人的にアクセスができない地域の個体です。今から入手交渉を頑張っても入手が非常に難しい、産地ラベル価値の高い血統です。
※以下画像個体がWF3親個体です。ザ・大陸&半島オオクワガタ!という雰囲気を醸しておりますが、次世代はいかにも!な個体達がバリエーションを纏って誕生。サイズが大きく、色々な韓国ビノの表現が見られる面白い系統を誕生させえてくれました。
◆親オス個体◆
WF3、74㎜くらいの個体でした
ビノらしさを感じるようなおお顎・大陸テイストを感じるキュッと締まった前胸背板・スタイルを引き立てるコンパクトな腹と、”それらしい”と感じる個体であると同時に、ガタイが良く、「累代を3代もすすめると、こんなにガッチリしてくるものか!」とワクワクしたものです。

◇WF3親個体の特徴◇

大きい!WF2と比較しても一回りは大きい。Wildと比較すると、二回りは大きくガタイの良さも全く違う。累代飼育を進めていくと、こんなに逞しくなるものか!そんな累代飼育のロマンを感じさせてくれた1頭でした。
超スタイリッシュなスッキリボディーに、ビノテイストを感じる頭やおお顎がくっつく。いかにも大陸ビノ!という店主の韓国ビノ印象を表現しつつ、とても体格が良い。ザ・王道なのか!?そう思いましたが、次世代ではさらに大型化・バルクアップ(個体によっては)・複数の形状を発現と、とにかく楽しい羽化のシーズンでした。
◇KS系統幼虫飼育の所感◇
幼虫はWF1とは比べ物にならないほど、そしてWF2では壁と感じたラインもスパッとクリアしてくるなりにはよく大きくなりました。当店のホペイほどは大きくなりませんが、25g以上の個体が多く、なんとかギリギリ30gに迫る個体も出てきました。やはり幼虫が素直に体重を乗せるのは楽しいですね。
幼虫体重から前蛹体重までの還元率が良く、マイナス3g前後の個体もおり、幼虫のサイズの割に成虫のサイズが大きくなりました。また、4世代目についてはより大きくなっただけではなく、よりゴツくなる個体も多く、血統としては間もなく最初の最盛期か!という脂ののった状態にありそうです。6~7世代目では80㎜超級を複数出すような血統に変貌しそうですし、累代の仕方によっては相当太い個体群に変化させることもできそうです。形も、ブリーダー好みに調整しやすそうで、「好みの形とサイズと太さを追求する!」という累代飼育の醍醐味を叶えてくれる系統でもありそうです。
体表の光沢が強く上品な個体が多いため、どのような形状で出てきても相当映える個体群でもあります。
拘りたい!オリジナリティを出したい!という繁殖の裏にある願望を叶えやすそうな系統です。そうそう手に入る産地でもありませんから、本当の意味での“自分だけが持っている1頭”・・・を実現しやすそうな系統もであります。
◆管理系統名KS:4世代目CBF1 個体紹介◆
それでは、以下に本系統同腹の兄弟オスを紹介していきます。
No.1 ※販売可
幼虫最終計測体重25gから
体長:74.2㎜
頭幅:25.2mm
顎幅:5.0㎜









No.2 ※販売可
幼虫最終計測体重24gから
体長:75.1㎜
頭幅:25.9mm
顎幅:5.0㎜






No.3 ※販売可
幼虫最終計測体重25gから
体長:75.3㎜
頭幅:25.5mm
顎幅:5.1㎜









No.4 ※ストック候補
幼虫最終計測体重27gから
体長:77.3㎜
頭幅:26.4mm
顎幅:5.5㎜










No.5 ※ストック候補
幼虫最終計測体重28gから
体長:77.7㎜
頭幅:27.4mm
顎幅:5.7㎜








No.6 ※ストック個体
幼虫最終計測体重26gから
体長:77.4㎜
頭幅:26.7mm
顎幅:5.6㎜









No.7 ※ストック個体
幼虫最終計測体重25gから
体長:74.6㎜
頭幅:26.4mm
顎幅:5.5㎜






No.8 ※ストック個体
幼虫最終計測体重26gから
体長:77.1㎜
頭幅:26.9mm
顎幅:5.8㎜















以上8頭が、ストレートタイプのおお顎のWF3オスを親とした、Wildからカウントして4世代目の個体群、KSです。ここまでで、ワイルドから世代を5世代未満回している系統の個体群を紹介しました。
・KW-B(WF1、ワイルドの子ども)
・KB(WF2、ワイルドから2世代目、インライン同腹姉妹交配)
・KS(WF3×WF3、系統交配CBF1、ワイルドから4世代目)
どの系統からも、
A. ロングタイプ
B. ショートタイプ
1.湾曲タイプ
2.ストレートタイプ
ア.中国産オオクワガタ寄りと感じられるフォルム
イ.日本産オオクワガタ寄りと感じられるフォルム
い.マットな質感の個体
ろ.光沢が強い個体
このような発現が見られ、それらが独立して存在するわけではなく、特にどれかに寄ったタイプもいれば、複数のタイプのコンビネーションのようなタイプや、中間的なグラデーションに位置しそうなタイプもいる。興味深いのは、概ねどの系統からも突出した個体が生まれていることです。そして、ここまでの系統の突出した個体については補助は不要、つまり完全ノータッチで羽化まで持って来られているのも特筆すべき点でしょう。
日本産オオクワガタでは、おお顎の幅が5.7㎜以上になってくると不全が増えていた記憶がありますが、韓国産オオクワガタには今のところそのような兆しは感じられず、ボディーについては超マッチョ極厚になっている個体もいますが、そういう個体ですら放置で仕上がってきています。ここには、大陸オオクワガタならではの天井の高さがあるのでしょうか。今後の世代の表現に興味が尽きません。
そして、KSについてですが、KS系統はここまで紹介してきた系統の中では「最も発現の振れ幅が広い系統」であると感じています。極太デフォルメギラギラ個体も望めれば、徹頭徹尾極美個体も狙えます。幅広い発現を次世代で愉しみ、自分色に染めるということでいえば、実はここまでの3系統中一番世代が進んでいるKSが楽しいかもしれません。言うなれば、「発現多様性のおもちゃ箱」・・・それがKS。
◆管理系統名KI:ブリーダーの我儘を叶えられる血統◆
血統背景:
遡ればルーツは2013年。今から12年ほど前に開拓の歴史の1ページ目をめくった血統です。その後、主に「おお顎の太さ」を追求するような狙いで飼育が続けられてきているようです。
血統交配・系統交配を重ねながら飼育されてきていますから、累代指数は純増しておりません(純増していればF6~F7レベル、世代としても6~7世代であると推測されます)。2021年~2022年頃に本血統を入手した韓国の友人が飼育したF3個体を通関させ、F4個体を飼育しました。メスは複数おりましたが、1メスが急死した他、結局まとまった数が採れた系統がAラインでしたので、1系統のみを飼育。
流石に“血統もの!”と言えるレベルまで累代飼育が重ねられており、虫たちもそれを体現していますが、およそ2倍の年月を歩むようなホペイの血統群を飼育する当方としては、「まだまだ先がある」という感想で、凄い個体も誕生していますがまだまだ余力を残しており、更なる飛躍があるものと感じています(変態過程に立ち会うと特に)。この先の可能性に際限無し、Infinity・・・・ということで、KI血統として紹介をしていきます。
通関:2024年4月
産地:Iksan-si,Jeonlabuk-do,Korea
※以下画像個体がF3親個体です。
◆親オス個体◆

【略歴】
2013年にスタートした血統で、2021〜2022年にF2を入手した韓国の友人が飼育したF3を譲り受けて飼育、という略歴です。流石に"12年ほどの歴史を持つ個群・特定の方向に向かって世代を重ねられた血統もの"ともなってくると、サイズ・形状がワイルドから離れてきますね。血統については、他系統同様、通関後に2専門機関のフィルターを通してありますので安心です。また、ここで紹介する個体群を他系統と合わせてみて頂くと、確かに“それらしさ”も十分感じることができる結果となっております。
◇Wild個体の特徴◇
かなりおお顎が太く見えますが、たしか顎幅は6mmアンダーだったように思います。サイズは73㎜前後だったような。75㎜はなかったです。計測記録を残さなかったので、正確なスペックが残っておりません。まだまだ開拓の余地が多い個体であり、頭幅や体の幅も小さめなので、おお顎が際立って見えるというそういうタイプでした。上翅もそういうことで、ツルンツルンですよね。
これは韓国オオクワガタではなくホペイの話ですが、顎基部幅7㎜付近までは、このような「おお顎が特段太く見える」個体が成立するのですが、7mm中盤付近に入ってくると「数値の割にはスッキリして見える」個体の方が顎基部幅については数値をとりやすくなることが確認できています。
ということで、本個体、「スペック面では特段太いわけではないが太く見える個体」だった、ということは間違いありません。また、まだまだ先がありそうだな、と感じた親個体でもあった、ということです。
◇幼虫飼育~成虫羽化までの所感◇
流石にしっかり菌糸にも慣れており、平均的に他系統と比較してよく大きくなります。KSでも同じくらいのサイズになった幼虫がおりましたが、本系統KIの方が幼虫体重や前蛹体重の成虫へのスペック還元率が高いです。
とはいえ、幼虫は簡単に25gクラスにはなるものの、中々27g超級に足を踏み込まないという印象でした。昨今のホペイの極太系や、国産オオの大型系のような体重の乗り方・・・・スパッと30gに乗るような育ち方はしません。25gが大台のボーダーという感じです。30gは超大台という感じで、28gになると「おおーー!!」という感じ、「30g出るか!出るか!!」といってやっと1,2頭出てきた・・・というイメージです。
成虫最高スペックは、体長80㎜近く、顎幅は7㎜超級まで出現しましたが、当店の超極太ホペイと比較し、
・やはり7㎜クラスになると蛹化~羽化までのフルサポートが必要
・フルサポートが必要な割には仕上がりはよく上翅にも余裕がある
このように、能力には改良の余地があり、スペックには伸びの余地があるという、プラスマイナス両方の意味で血統にはまだまだ開拓の余地があるもの、という印象です。
※当方のホペイは2025年不全率一桁%(アンダー5%)でしたが、その代わりダメな個体はフルサポートでもダメ、そのくらいにはポテンシャルの末端におり、改良の余地を開拓していくというよりは、限界のその先を見にいくという印象があります。韓国オオクワガタKI血統については、これに対して「まだまだ無理をさせても大丈夫」という印象で、綺麗な個体でリスク軽減をするよりは、半端ないオス×半端ないメスを実践して、次世代で出てくる極太個体を率(博打勝負・数勝負)で仕上げるというやり方で十分極限個体が望めそうです。
※当方は「基部幅6mm前半でもめちゃくちゃ太く見える」ような個体を狙っていきたいと考えています。スペックの末端狙いはホペイで・・・・ということです(笑)韓国極太については、顎が短めのKBのようなタイプで、ディンプルが少なく、顎が肉厚でムキムキマッチョに見えるようなタイプを増やしていきたいです。かつての国産極太オオクワガタなどは、顎幅6mmジャスト~6mm前半で非常に太く見えましたね。あのようなテイストで、ディンプルが少ない個体群を狙ってみたいと思っています。まぁ、これは店主の主観(個人的な好み)ですのであまり気にしないで気に入った個体やピンとくる個体を探してみてください。
◆管理系統名KI:12年物F4個体紹介◆
それでは、以下に本系統同腹の兄弟オスを紹介していきます。
No.1 ※販売可
幼虫最終計測体重26gから
体長:78.3㎜
頭幅:27.0mm
顎幅:5.5㎜








No.2 ※販売可
幼虫最終計測体重22gから
体長:73.0㎜
頭幅:25.6mm
顎幅:5.4㎜









No.3 ※販売可
幼虫最終計測体重24gから
体長:74.7㎜
頭幅:26.3mm
顎幅:5.6㎜







No.4 ※販売可・上位個体
幼虫最終計測体重29gから
体長:78.5㎜
頭幅:27.7mm
顎幅:5.9㎜









No.5 ※販売可・上位個体
幼虫最終計測体重24gから
体長:75.5㎜
頭幅:26.6mm
顎幅:6.2㎜










No.6 ※販売可・特上個体
幼虫最終計測体重30gから
体長:77.5㎜
頭幅:27.9mm
顎幅:6.2㎜








No.7 ※ストック候補個体
幼虫最終計測体重28gから
体長:78.8㎜
頭幅:27.6mm
顎幅:6.5㎜












No.8 ※応談可
幼虫最終計測体重26gから
体長:75.5㎜
頭幅:27.2mm
顎幅:6.5㎜









No.9 ※応談可
幼虫最終計測体重28gから
体長:79.5㎜
頭幅:28.5mm
顎幅:6.8㎜








No.10 特上個体可
幼虫最終計測体重29gから
体長:79.4㎜
頭幅:28.1mm
顎幅:6.88㎜







No.11 種親候補
幼虫最終計測体重27gから
体長:78.1㎜
頭幅:27.4mm
顎幅:6.95㎜













No.12 販売可最上個体(¥98,000、1オス1メス+B品メス複数)
幼虫最終計測体重31gから
体長:79.8㎜
頭幅:29.1mm
顎幅:7.3㎜







No.13 種親
幼虫最終計測体重24gから
体長:72.2㎜
頭幅:未計測
顎幅:未計測










No.14 ※種親
幼虫最終計測体重28gから
体長:78.1㎜
頭幅:28.1mm
顎幅:6.2㎜









以上×14オスが、12年物の韓国Binodulosus血統ものの飼育の結果です。興味深いことに、ある程度累代・世代が進められた系統の方が発現・表現の振れ幅が大きいように感じられました。WF1やWF2の方が、個体の形状は類似しているものが多く、KSやKBの方が色々な発現を見せてくれました。
菌糸瓶飼育をしていくと、世代を重ねていくにつれて食性なども強くなっていき、より大きく寄り逞しくなれるのはそれはそうでしょう。それは、単にサイズ・・・つまり体長が向上するだけではないはずです。幅や厚みも成長しやすくなっていく・・・それが「より高栄養価であり、より大きくなれる餌を食える」ということでしょう。
そして、そのように「よりすくすくと育てるようになった」個体達からは、大きくなったからこそ、あるいは太く分厚くなれるようになったからこそ発現の幅が広がるのかもしれません。ワイルド個体を多数見るだけではなく、繁殖個体の数もしっかり見てこそ、本種の発現の振れ幅に詳しくなれるということなのかもしれません。
KBのように、WF1から突出している奇跡の系統のようなものに出会うこともあるでしょうが、WF1を何十年飼育し続けても、世代を重ねないと出会えない発現がある・・・そんな手ごたえはあります。また、奇跡の血統のような累代を若くして頭角を現す凄い個体群についても、逆に世代を回すことで標準的な血統からもひねり出せることがあるのではないかということも感じられます。KI系統からは、KS、KBの上位個体のような個体が複数得られています。世代が進むほど、各系統の上位個体に類似する個体を誕生させているような傾向があります。世代を重ね、より大きく・逞しく育てていくことで、累代が若い頃には出会えなかった発現に出会う可能性も増えそうです。
このようにして、ここまでWF1、WF2、4世代目、そして12年物推定6~7世代目の血統ものを飼育してきて、ステージの違いや、発現傾向の違いについては多数の着眼点、そして面白さがあることを少なからずとも感じました。
また、当店はホペイ専門店ですから、これらと並走して多数の血統ホペイを飼育しています。当店の2025年のホペイの形状・数値の実績は相場からかけ離れた結果となりました。そのような末端極限極地でのブリードをしているホペイと比較し、韓国産Binodulosusの4系統にはまだまだゆとりが感じられます。まだまだ、張りの先には至っていない・・・まだまだ針の穴程度の領域にいると感じられます。それは太物血統ものについてもです。多少のエラーを起こすこともありますが、どうしようもなくなってしまうようなことはほぼありません。これを鑑みると、すでに相当な実績を出した今年度の韓国産Binodulosusですが、全系統、まだまだこの先があるものと感じられます。この「先がある!!先が広い!!」という感覚には、血統職人として魂が震えるのを禁じえません。この先を見てみたい。そして、その先は親選別によって如何様にもなるのであろう。それなりに楽しいステージに入ったKSからスタートするもよし、そろそろ日本産オオクワガタ・ホペイの太物とも肩を並べられそうなKIからスタートするもよし、究極ポテンシャルの奇跡のWF2、KBからスタートするもよし、WF1から開拓のロマンを楽しむもよし!というところでしょうか。
それでは、最後に私の今年度の4系統飼育を踏まえ、形状の分析を記しておこうと思います。
★韓国産Binodulosus4系統を飼育した結果得られた発現の分析★
やはり、大陸で隔たれているなりには、Binodulosusであるといっても、日本産オオクワガタと同じものであるとは言えないほどには違いが感じられる。

WF1から、おお顎や頭部の形状にはそれなりに個体差が確認できた。サイズが小ぶりで、スペックも低く、おお顎も細めであるためぱっと見では分かりにくいが、よく見るとそれなりに違いはあるものであった。
Wildオス親を比較対象とした場合、
A
おお顎が短めな個体が存在する。Aのモデルでは、眼上突起をなだらかなものとして描いた。眼上突起や眼下突起などにも個体差が見られる。
B
おお顎がすらっとストレートなタイプが存在する。内歯は倒れ気味に描いた。内歯は多くの個体のそれが上方に立ち上がるような形状をしているが、倒れ込むような形状の個体も存在する。眼上突起は、高さが低く少し抉れたような形状のものをモデルにした。
C
おお顎の湾曲が強いタイプも存在する。完全に顎を閉じると、円形というよりはV字に近いような閉じ方をすることが多い。湾曲は外歯だけではなく、内歯にも湾曲の程度の違いが確認できている。しっかりと内歯が湾曲する個体がおり、こういった個体は上から見た時に内歯と外歯が完全に分岐して見える。内歯先端が前方を向くような個体もおり、そういった個体は上方から見るとやや内歯と外歯が揃っているように見える。本スケッチについては、内歯のスタート位置が後方にある個体をモデルにした。内歯のスタート位置にも個体差があり、内歯が前方に位置する個体もいれば、後方に寄っている個体も見られた。
D
累代飼育個体WF2以降では、このような発現が見られた。外歯は湾曲気味だが、閉じても円形にはならずどちらかと言えばV字のような形になる。内歯の湾曲は滑らかで、グッと急に曲がるようなタイプではなく、滑らかな曲線を描きつつ前方に伸びていく。内歯は上方に立ち上がりつつも倒れ込んでいく。その結果、内歯の側面積が広く感じられる。おお顎はやや短め。このようなタイプはこれまであまり見たことがない。
E
Dの顎開き姿勢である。顎は水平気味によく開き、その結果閉じた時のV字のシルエットの印象がガラッと変わり、湾曲タイプに見える。この開閉時のギャップも含めD&Eタイプは興味深い形状である。KBの親個体WF1もこのような形状であった。
F
中国ホペイのようなテイストを持った個体も複数確認できた。
・外歯の湾曲が強い
・内歯の先端が前方を向く
・内歯が先端よりに位置する
この3点が揃うと、そのように見えるようだ。KSやKIに見られたこのような個体を、過去に当方が飼育した中国ホペイ広西壮族自治区大遥山WF1-69mmと比較して見る。言葉上では、内歯と外歯の被りが良かったり湾曲傾向が強いなど、ホペイの印象に当てはまるような個体でも、中国ホペイのWF1と比較すると肌質や体幹の形状の違いから、かなりの別物に見えて興味深い。大陸オオクワガタのそれっぽさは確かにあるのだが、中国ホペイと同じものとは言い難い。そこはBinodulosusに分類されるが所以・・・であり、中国ホペイとは似ているところもあるが非なる存在であることもそれはそうなのではないだろうか。


G
おお顎が棒状の個体が何頭か見られた。このような個体の顎はほぼ曲がらず、またこういった個体達は体表の光沢が強く、ボディーが肉厚になる傾向が強かった。WF1以外全ての系統で確認できている。併せて、眼上突起が非常になだらかで、頭長がある個体も多く、頭も分厚い。店主が20年以上前に飼育していた茨城県石岡市旧八郷産のオオクワガタの頭部に似ており、このような頭部はホペイで見た記憶はほぼ無い。
H
日本産オオクワガタのようなテイストを持った個体も複数確認できた。
・外歯の湾曲がやや角ばる
・内歯が比較的後方(根元に近い方)から分岐する
・内歯がしっかり倒れ、内歯先端が横を向く
このような形状が揃うと、そのように見えるようだった。ただ、よく見ると日本産オオクワガタでは中々見らないような内歯のエッジや内歯の細さがあったり、前胸背板の幅が非常に狭かったりと、独特さは感じられる個体がほとんどであった。Binoらしさは確かにあるのだが、日本産Binodulosusと一致するものとは言い難い。やはり、日本産オオクワガタとも似て非なる存在なのであろう。
I
顎開き時には、外歯が前方を向く個体が比較的多かったが、Iのように外歯先端が内側に曲がりそうな個体も見られる。累代の仕方によっては、本種のWildの姿から離れた個体群も目指すことができそうだ。
【サイズ】
幼虫最終計測体重を各個体に極力明記するようにしているが、記載された幼虫最終計測体重に対し、成虫の体長・スペック・厚みが軒並み高いことを確認いただけるだろう。
まず、サイズについては80㎜近い個体も複数出てくるように、決して小さなオオクワガタではない。改めて、ではあるが、朝鮮半島南部のBinodulosusは北朝鮮産と比較して大型化するとされるが、飼育してみると確かにそうであった。ワイルドを見てきた感覚では、歯形は55㎜付近が中歯になるかどうかという分岐点にあたり、それアンダーでは中歯~小歯、55㎜~58㎜付近では中歯気味~大歯気味、60㎜クラスからは大歯、ワイルドでも60㎜クラスを複数見ていることから、やはりそこまで小さい種ではないと言えそうだ。
さて、先に記載した通り、それでも「幼虫体重の割に成虫のボリュームが大きい」という結果になったのが今年度の当店の飼育実績であり、また、WF1でも現地でもそうそう飼育することができない70㎜以上の個体を複数誕生させ、WF1にして73㎜を抑えられるという怪物も1頭羽化してきていること・・・・WF2以上世代が重ねられている系統については77㎜超級も多くおり、頭幅についても28㎜超級~29mm台まで、顎幅についても、おそらく韓国で流通する交雑オオクワガタをもってしてもそうそう太刀打ちできないようなレベルの個体が誕生してきていることから、本種の飼育については2024年~2025年にかけて当店が取り組んで飼育法がぴったり当てはまったものと考えられる。
※その結果、WF1では栄養を過剰摂取して腹が出る個体もいた
→WF2では改善されるものである
この飼育法については、韓国産Binodulosusの販売と合わせて世の中に公開していきたいと考えている。飼育法は特別なものではなく、少しだけ温度管理に気を遣うことと、菌糸瓶をケチらずにつかうことの2点が主軸になる。この温度管理が肝となった手ごたえがあるため、そこを正確に紹介する予定だ。
※飼育過程で明らかに手ごたえが強まってきたため、こまめに記録を残したのは正解だった
現在までに流通した韓国産オオクワガタと比較し、それらの数値の相場を完全に無視したようなサイズ感の個体が多い今年だが(ホペイもそうだが)、血統によるものというよりは飼育法によってサイズが出たという手ごたえが韓国産Binodulosusの飼育については強いため、再三になるがこの方法は公開したいと思っている。最後に、蛇足ではあるが、ぶっちゃけて言えばこれまでの韓国産オオクワガタの待遇が不遇だったにすぎないのではないかという感覚もそれなりにはあり・・・・色々な種の飼育の傍ら箸休め程度に飼育されてきた韓国Binodulosusの潜在能力を、それらにコストと労力を全く惜しまず注ぎ込み過不足無い飼育をした結果、実績が付いてきたにすぎないという見解それはそれである。特に、日本は特にカブクワの飼育については非常に開拓が進んでいる国であり、ことクワガタムシのマットや菌糸瓶の質は世界最強クラスであることは間違いないので、その恩恵にあやかった結果であることはそれもそうであろう。
ということで!
ついに韓国産オオクワガタ4系統飼育の紹介、これに手完結です。
いや~~~大変でした。1記事に対して圧倒的キャパオーバーな写真を詰め込んでいるので、もう1文字1文字反映されるのに20秒くらいのタイムラグがありましてね・・・朝は4時頃から準備して、夜は8時過ぎまで作業をして、そういう毎日をなんとかなんとか続けてようやくここまで書き上げることができました。もうこれ有料記事でいいんじゃないかなと思いましたし、飼育の途中でいろいろヤジも飛んできたものですから、「すぐに私の書いたものを自分の知見としてひけらかす方」がいますから、おお顎や頭部形状の比較などについては隠し持っておこうかなとも思いましたが、やっぱり世の中にひけらかすことにしました。自己顕示欲や、承認欲求由来ではありません。
いい虫なんですよ・・・
なんだか、めちゃくちゃ大変でしたみたいな捉え方をされたらそれは違いますので誤解されないようにお願いしたいのですが、この「韓国産オオクワガタ飼育の記録」は私にとって近年稀な超大作。ブログホペイフリークの自己満足日記ですと、2023年のアガノマイマイを追う物語以来の超大作でしてね・・・。先に記載したように、システムの問題状後半、作成を進めるのに大変難儀したのですが、それでも毎日個体を手に取って写真を撮るのが楽しくて仕方ありませんでした。
オオクワガタってカッコいい!カッコいいクワガタムシの撮影って楽しい!カッコいいjクワガタムシを手に取る・・・・それも、血眼になって探してもそうそう見つからないような種・産地・サイズ・形状の虫を手に取るというのは至福の時間でした。
いよいよ本記事の完成が見えてくると、なんだか物寂しくも思ったものです。
今後韓国産オオクワガタの飼育が盛り上がったらよいなと思いますので・・・それは販売販売した話ではなく、本当に良い虫ですのでね・・・・「究極の韓国産オオクワガタコンテスト(形状コンテスト)」「韓国産オオクワガタ体長ギネスコンテスト」なんかも当店の方でイベントとして行おうと思っています。もちろん、当店の系統以外の韓国産オオクワガタのご参加も大歓迎の予定です。
まだまだ未開拓の本種。
本種に魅力を見出してくださる愛好家の方々と、色々なやりとりをしながら飼育文化の開拓が進めばよいな、と思いますし、そこに貢献できれば私としてこれ以上嬉しいことはありません。
それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
2025年9月5日、完結!






