【25本店ストック成虫】No.32 GX50-X(X8.03④)
- YY
- 7月17日
- 読了時間: 5分
更新日:8月14日
※画像は単焦点レンズのデジタルカメラ(EOS-RP:Macro is STM)で撮影しています
※一部スマホ撮影の画像を差し込むことがございます
【生体情報】
◆種類:ホペイ/ホーペ/ホーペイオオクワガタ
◆学名:Dorcus hopei hopei
◆産地:福建省北峰
◆累代:F2【21X×22X戻し&系統交配初代2023年からの2代目】
◆血統名:GX50-X
◆グループ:X8.03
◆系統番手名:X8.03④
【血統内訳】
およそ以下のような血統を内訳としています。
※当店の単位の基準で記載。記載の目的はきちんとしたホペイ種であるという信頼が持てる単位での血統ブレンドを示すことです
→交配において重複する血統や系統があり、またそれらの呼び名がものによって異なる場合があるため、末尾に”等”と記載(例:M127→張飛、A160→張飛;このように枝葉で呼ばれるものとグループで呼ばれるものが混在するため、それらは統合して表記することがあります・・・・この例では”張飛”。※ただし、レジェンド番手のようなものは別枠で記載する場合があります(例:A160))
※記載している以上の情報を個人単位で提供は致しません
・TP:E
・HO8
・張飛
・皇帝
等
【血統説明X8.03】
23GX50-Xからの2代目です。オス親は2023年本店ストックのNo.44下、体長74.8mm、頭幅28.2㎜、顎幅8.03mm、顎8超級にして超極美体表のオス親からの子たちです。腹は④と⑦と⑪の3腹。どの番手からも超越フォルム・超越スペックが出てきています。当店でストックが多いのは⑦、私が「神番手」としているのは④と⑪です。”神番手”については動画をご参照ください。⑦についても、血統能力と実績は並みの血統群とは次元が違いますのでご安心ください。
→その後ストック数に変化が生じましたので、気になる方はこちら(クリックでリンクが開きます)をご確認ください
形状はどの番手も類似しており、スペックも酷似していて、ラベルを見なければほぼ見分けがつきません。ムキムキマッチョの、高縦横比率の個体が多い系統となっています。オス親が、スッキリした見た目だったため、太くて幅広で薄い個体群が生まれてくることを予想しましたが、太くてバルク感が強く、上半身がデカい個体が多発しました。
蛹たちを振り返ると、X8.4のような超越的に太い個体は少なかったです。しかしながら、どの系統からも8付近の顎幅の個体を多発しています。蛹の内部が過剰形成されることが本系統の一つの突出した能力で、当店のホペイですと通常7.4mm~7.5mm付近で羽化してくるような形の蛹から8クラスが出てきます。
蛹のスペックに対して驚異的に成虫スペックが高いという、顎痩せの少なさのメリットをチート級に高めた個体群です。蛹化時に安全圏の太さの形として出てくるため、羽化不全の主要な原因を生じる蛹化の際のエラーがほぼありません。その割に、羽化してくる成虫が尋常では無く太いという、太さ狙いのいわゆる「別解」を示した特異な存在です。
また、排水能力が突き抜けて高く、蛹~新成虫の腹の動きが非常に柔軟。この2点により、内翅が驚異的な速度で収納され、腹もあっという間に収納され、羽出しや腹出しといった極太個体・特大個体が相対的に発言しやすいストレスが皆無に等しいとんでもない血統です。とりあえず、羽化は見ているだけでOK。
【数値実績】完品羽化した個体の数
※顎7超級の数は数えきれないのでもう数えていません・・・
★顎7台複数
★顎8台複数
★最大80㎜付近と予想(本店個体更新の7月中旬時、未硬化につき未計測)
★血統内最大顎幅8.5㎜付近と予想(本店個体更新の7月中旬時、未硬化につき未計測)
GX50-X(X8.03④)
2025年6月羽化
前蛹ウェイト24gから
※顎8クラスの個体です
★計測動画★
★個体動画★

「本当に内歯が外歯を飛び越えているのですね・・・」2020年頃から、当家で実物を手に取った方によく言われる言葉である。デジカメで忠実に写しても内歯が外歯を飛び越えるようにせり上がる。そういう個体はちゃんといるのである。


真のぶっ飛びは、横から写そうが頭を持ち上げようが、
内歯が飛ぶものは飛ぶのである、
というくらいには内歯をぶっ飛ばす。


相場を無視した顎スペックが成立している2025年
1つの成功の根拠は、
力学的に膨張に適して自然体なおお顎のフォルムかもしれない。


バランスが良く、サイズも大きい。
過剰に虫に無理をさせない。
その分、ブリーダーが期待する以上のスペックをもたらして貰う。


血統構築と形状追及は、
虫と飼育者の二人三脚で成立する。

虫のフォルムを尊重した分、虫もブリーダーの希望を尊重してくれるのかもしれません。
精神論かもしれなませんが、飼育である限りこの精神論が土台になっていることは崩したくありません。
まだ誕生させたことが無い方には伝わりにくいでしょうが、羽の軽度のVパカと先端までビタ閉じした羽には、途方もない距離があるのです。ぐしゃぐしゃの高スペックのオスを親にしたら、いつか率の問題でそういう個体の完品が成立・・・しないのです。1/1000でも多分成立しない。
当店の虫は!というセールスをしているわけではありません。
このホペイの世界で熱量を保って頂く上で、ある程度の期間内での成功体験が続くことはとても大切です。4年くらいで気づいて頂ければいいかなと思っています。6年目になると嫌になると思います。
4年くらいで・・・めちゃくちゃな比率・形状を狙うのではなく、力学的に”成立する”形状とのバランスを取りながら数値を微増させていく重要性・・・・及び、そのような取り組みを継続しないと辿り着けない領域があることに気づいていただければ、きっとこの趣味は20年以上楽しいままです。